こんにちは。19です。突然ですが、産業鉄道って良いと思いませんか?工場や鉱山の所有する専用鉄道はそこら辺の鉄道にはない魅力があります。ですが、そういった鉄道は殆どが私有地内を走る為、簡単に撮影できるものではありません。工場公開なんかも年に一度とかですし。
 とはいえ、一部には公道から撮影できるものもあります。福岡県大牟田市の三井化学専用線や新潟県糸魚川市のデンカ青海工場専用線なんかがそうです。そんな路線が東京都にもあります。都内ならば都立大生のテリトリー。撮りに行かない手はありません。
 2018年11月8日。11時半過ぎに奥多摩駅に着きました。奥多摩は面白いところで、水根貨物線の廃線跡巡りや日原鍾乳洞訪問なんかもしたいですが、今回のターゲットは表題の通り奥多摩工業曳鉄線です。
2018-11-25 (2)
図1 奥多摩付近地図 (出典:地理院地図)
 地図にも描かれていますが、殆どの区間がトンネル内ですが、一部露出している区間があります。有名なのは二ヶ所で、一つは日原街道を跨ぐ区間、そしてもう一つが奥多摩駅近くのポイントです。
2018-11-25 (3)
図2 奥多摩駅付近地図 (出典:地理院地図) 一部加工
 図2で赤く丸が付けられている部分です。早速行ってみましょう。
 青梅線の踏切を渡り、小学校を下に見つつ工場の方へ向かう道を進みます。ネット情報曰く公道らしいです。
IMG_5681
写真1 公道
IMG_5680
写真2 公道
IMG_5668
写真3 打棄てられたモノレール
 写真1の右手の道を進み、工場の脇をすり抜けると森に入ります。写真3のモノレールが見えてくると、その先に……
IMG_5643
写真4 奥多摩工業曳鉄線1
 見えてきました。奥多摩工業曳鉄線です。日原の方にある石灰石鉱山から奥多摩駅前の工場まで石灰石を運ぶ専用線です。貨車が線路の間を通っているロープをつかんでおり、レールのあるリフトといった感じ。写真4を見てもらうとわかりますが、石灰石が積まれているのは235の方です。鉱山の方を向いて撮っているので、右側通行ということになります。日本の鉄道だとあまり見ない形式で、特異性が表れていると思います。
 残念なのは、着いた時間が12時前後で昼休みなためか、曳鉄線が動いていなかったことです。一応見るには見られたので帰ろうかどうしようか悩みましたが、これではわざわざ平日に来た意味がありません。昼休みが明けるであろう13時過ぎまで待つことにします。
IMG_5665
写真5 レール周り
 軌間は762mmらしいです。線路間のロープとそれ関連の機器が面白い。
 谷の反対側に回ってみたりしましたが、線路付近に近づくには急斜面を下りないといけないので断念。ただのスニーカーですし、滑落したら洒落にならないので。
 そんなこんなで一時間潰していると、果たせるかな、動き出しました。
IMG_5675
写真6 奥多摩工業曳鉄線2
 他に音を立てる物の無い谷間に車輪がレールのジョイントを踏む音が響きます。そしてロープの重い駆動音。私の表現能力が低いので文字では表しきれません。都心から二時間程度で行けるので、興味を持たれた方は一度行かれてはいかがでしょうか?
以上